2004-03-26 17:54:11

Squarepusher / Ultravisitor長文レビュー [ 特集・長文レビュー ]


Squarepusher / Ultravisitor (Warp)


■全15曲約75分もの大作。
いや、タイトルにちなんで超・大作に
するべきでしょうか。

■失踪ニュースから復活までの間、
Tom Jenkinsonに何があったのか、
前作Go Plastic(※注)で
生音を一切排除した作風から一転し、
生ベースが復活しました。

全編通して流れる雰囲気はライブの
ような臨場感を伴っており、歓声が
度々沸きます。これはライブでの音声や
音源をサンプリングしているからだとか。

しかし全ての音源が、ライブで録音されたもの
というわけではなく、自ら楽器を演奏したものも
あり、ごちゃ混ぜになっている様子。

■アルバムの幕を開けるのは先行シングルとなった
表題曲。どうしても前作からの比較となって
しまいますが、Go〜よりも初期の作品を連想
させます。しかしドラムの音は奥へ引っ込んでいたり
シンセのテクニカルさはシングルDo You Know〜
流れを受け継ぐもの。

観客の歓声を間に、中期ジャズに傾倒していた頃の
ようなフリージャズ曲が続きます。
静と動の対比でしょうか。

この流れから一気に畳み込むのが、
アルバム中1、2を争う美しい曲Iambic 9 Poetry
生演奏のドラムの音のクリアさにはっとさせられ、
このアーティストがここまでメロディメーカーだったかと
再認識させるようなシンセが徐々に音を増していき、
スネアロールで曲もアルバムもクライマックスを
迎えます。
手放しで名曲と評し、快哉を叫びたい気分に。

■その後、前作からの流れを引き継ぐ曲や、
ライブのアドリブ的な即興ジャズ、
電子全開のドリルンベースなど、
Squarepusherとしてこれまでの総括的な
内容が盛りだくさん。

また毛色の違ったハードロック―ドリルン系とも
言えそうな曲があったりします。
元々、Tom Jenkinson
ヘヴィ・メタルバンドに在籍していたこともあり、
その辺の趣味も色濃く出ているような。

■そして。彼の音楽遍歴の最後の仕上げとして
Track 13 − Tetra-Syncが待ち構えます。
この曲の構成、生ベースのテクニック、
リズム、位相を自在に操る電子テクニック、
轟音シンセと、圧倒的存在感を見せ付けられ、
おなかいっぱいになる事請け合い。

その興奮も、残った2曲で気持ちを静められ、
この力作の、幕を閉じます。

■最後の2曲がまた美しく、
なんだか完走した充実感でいっぱいになりつつも、
数々の名曲群に惹かれて再度再生ボタンを
押してしまう・・・そんな魅力に溢れた
中毒性のアルバム、それが音源に触れてから
聴き続けた私の総評です。

■・・・25日間、少なくとも1日1周、多い日には
6周したレビューがこの程度でがっかりですが、
やはり音楽を言葉で語るのは難しい、
ぜひこんな駄文を読まずにとっとと音を聴いて
欲しい一枚です。

(※注)
当サイトでは日本盤帯同様、ライブアルバム
Do You Know Squarepusher
フルアルバムとして認識しない事にしました。
勿論、あのディスクには未発表音源ディスクも
追加されている上、Ultravisitorに通ずる曲も
あるのですが、便宜上、マネする事にしました。

Posted by aphex at 2004-03-26 17:54:11 | コメント(184) | Trackback(0)

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