2004-06-18 16:02:31
Arovane / Lilies [ 特集・長文レビュー ]
■うー、個人的に文章を書く事が多くなっており、
こっちまで手が回らなかったりします。といいつつ、
そういう時のが更新したくなるのは何故でしょう。
本当に暇な時は逆に更新しないんですけどねぇ。
というわけで本日は上半期最後の話題作、
Arovaneの新譜Liliesの長文レビューです。

Lilies(C.C.O)
■今回の新譜はCity Centre Officesから。
過去にArovaneはこのレーベルから名盤Tidesを
リリースしており、同レーベルからの新譜というわけで非常に
楽しみにしておりました。
中身は9曲36分に凝縮された音楽となっています。日本を題材に
したものらしく、日本語アナウンスや朗読があったり、
曲名に地名「名古屋」「大阪」「東京」が入ってたりします。
■スタンス的にはTidesの空間距離と音色の質感、
DinからリリースされたAtol Scrapの
無機質さ、温度などが同居しているような感じです。
しかし、プラスアルファとして、「滲み出る感情」も
含まれるているような気がしたりして。

Tides(C.C.O)
それから個人的に気になるのは、最近のC.C.Oの
リリース物、Christian KleineのReal Ghostsもそうでしたが、
凄く音質が良い気がします。
1曲目はダブっぽい音色のベースから、広がりのあるシンセ、
私の拙い知識ではなんと表すのか分かりませんが、
Arovane得意の弦楽器系の綺麗な音色による
ノンビート物です。
一転2曲目は変則的なリズムをミニマル的に繰り返したビートは、
音がこもったり明確になるなど、時間的変化が著しく
面白い作りです。その上に単音のシンプルなシンセ、
ピアノが和音をかたどり、サブシンセはビブラートが
後半からかかるなど、作り込まれています。
さすが職人です。・・・しかしめちゃめちゃ暗いなぁ。
3曲はJRの車内放送をサンプリングした音声が流れます。
なんとなくビートが列車の揺れるガタンゴトンという音を
表している気がしないでもないですが、安易な考えですね。
なんとなくインタルードっぽい印象です。
アルバム中、1、2を争う綺麗な曲が4曲目Cry Osaka Cry。
メロディセンス、音色、音声サンプリング、ビートとの絡み、
どれを取っても一級品です。Arovaneにしては明るい
展開なのも素晴らしいです。必聴。
でー。問題の5曲目に移りますが。この曲は謎の女性による
日本語+英語の朗読があります。んで、激しく評判悪いです。
「ん〜海はちかーい」とか言われても困ります。
「暗くてしゃみしぃ(寂しい)海」とか。その後の歌は
割りと気にならなくなるのですが、朗読があるだけに
嫌悪してしまう感じです。トラックの作りは良いので、
音声無しバージョンが欲しいと思ってしまうのは私だけですか。
そうですか。
この曲がなければ・・・と思うほど、アルバムの印象を
左右しかねない1曲である事は間違いありません。
Arovaneは冷たく暗いイメージがあるのですが、今作では
1、2曲目と7曲目、9曲目くらいで、印象付ける曲は
およそ明るめの曲が多いです。2曲目がやたら暗い印象ですが。
また、暗いといっても、9曲目あたりはビート無しでアウトロ的で、
非常に流麗で綺麗なメロディに、繊細で味わい深いシンセが
絡んでアルバムに深い余韻を残します、て。
結局暗い余韻が残ってますか。ま、いいや。
■全体的に、というかやはり作り込まれてます。隙がない感じです。
日本語朗読の曲だけは生理的に好きになれませんが、なんとか
笑い飛ばしたり、口調を真似したりして、
私はヘヴィーローテーション中です。

