2004-10-15 15:03:06

Manual & Syntaks - Golden Sun(Darla) [ 特集・長文レビュー ]

■デンマークからの刺客、当時エレクトロニカ最重要レーベルだった
Morrへ殴り込みを掛けたManualことJonas Munkは、
牧歌的なアルバムUntil Tomorrowによって話題をさらい、話題のニュー・カマーとなりました。


Manual / Until Tomorrow


ええ、突然意味不明な出だしで恐縮です。
広告風にニュー・カマーが使いたかっただけですすいません。

そんな彼も同レーベルからの2nd、所属するバンドLimpのリリース、
他アーティストやバンドメンバーによるコラボレーションと、作品を重ねる毎に
減少していくリズム要素と偉大なるマンネリズムにより、評価はうなぎ下がり(てどうなんだ)。

■そしてまたコラボ・・・と眉をしかめる人を傍目にリリースされた今作。
The North Shore同様にLimpメンバーのSyntaksと2年もの
歳月を経てドロップされたわけです。

私的にこの作品が駄目であれば、もうManualは見限ろうと思っていたのですが。
評価から言ってしまえばこの作品、かなりレベルアップしており新境地に達していると
判断しました。
これまでのアンビエント的な作品は、ここに達するための過程でしか無かったのでは
ないかと思ってしまいます。

とは言ってもコラボ作品ですから、彼だけの力でこの作品を成し遂げたとは思っておりません。
しかし相手はLimpのメンバー。今後の作品がこのクオリティであれば
不安に思う事は無くなりそうです。

■話は前後しましたが、アルバムの中身に触れてみたいと思います。

まず一番の変貌ぶりはリズムです。これはSyntaksのソロ・ワークで分かりますが、
この人の力が強いようで。といってももっとアヴァンギャルドで変てこでしたが。

今作では聴きやすいHip-Hopビートが前面に出ており、この上にManualの牧歌的な
上モノが・・・ありません。あれれ? と思うくらいマンネリズムが解消されています。
逆に不安になるほどですね。マンネリ! とガンガン言った割に、無くなれば人は
無くなったで勝手なものだと言えます。

これまでの上モノ主体の曲製作からか、今作の音は非常に多彩になっており、
楽曲によって様々な音が用いられ、これまでのようにギター+シンセというパターン
だけではなくなっております。曲によって声ネタ、ベースが強かったりするなど、
明らかに一線を画す内容となっているわけです。

これまで彼の魅力だったあの青臭いようなどこか切なさのある温かい音は、
すでに過去の物となり、変わってより深みを持った幻想的な音に。
その変貌はトラック4のSal Paradiseや、6のAdinavaでも
分かりますが、ここでは何よりラスト・トラックのSunset Riderが最も顕著。
例として取り上げたい次第です。

この曲は遠くから聴こえる女性ボーカルが序盤メイン・メロディを作り、ギターなどの
音が側面を支える形になりますが、中盤以降からサイド部分の音が徐々にディレイが増え、
フィード・バックが加わり、急激に密度を増していきます。
この音に身を委ねる心地良さは半端じゃありません。さらに感情を揺さぶる音の数々。

ビートは淡々と音を重ねているように思えますが、実際は細かく手数が増えていたり
ディレイ距離が伸びていたりして、相当に手がかかっています。この支えがあってこその
空間的美しさでしょう。

Manualの底力を見た思いです。この曲のクオリティでアルバムが作れれば
Guitarというシューゲイザー紛いは要らなくなるはずです。

■特定トラックだけ取り上げましたが、相対としてこのアルバムは作品構成としても
秀逸で、全体として綺麗にまとまっています。
期待していたManualの成長が見られる事と思います。Most Highly Reeecommend!!!

とりあえず視聴出来る環境があれば、最後のトラックだけでも視聴する事を
お勧め致します。

この作品をなぜ、Morrが出さなかったのか、それが不思議でなりません。


Manual & Syntaks / Golden Sun

Posted by aphex at 2004-10-15 15:03:06 | コメント(0) | Trackback(0)

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